のあるくらし
「岩手の財産と過ごす」

-
聞き手
 今まで薪ストーブのこと、岩手のこと、環境のこと、いろいろお話を伺ってきましたが、これから大立目さんがやりたいことはどういうことでしょうか。
-
 できれば郊外に少し広い土地で、薪ストーブの販売だけではなくて、薪をつくること、皆さんが薪を割る体験ができるスペースをつくることです。
 それと岩手にはいっぱい良いものがあるんです、家具、器、道具などがいっぱいあります。それらを紹介して、岩手の良い道具で楽しく生活できることを提供するやりたいと思っています。店のオープンからずーっと思っていることなんです。
-
-
聞き手
 岩手で生活する、こういう風に生活すると楽しいですよって提案するお店ということでしょうか。

 そうですね。

聞き手
 具体的にはどういったものがあるんですか。

 たとえば、岩手の材料でしっかり作っている家具屋さん、工房もあります。漆、漆器ですね、あとは陶芸、岩手で地道に良いものを作っている方がいっぱいいらっしゃいます。そういうものを紹介して、生活の中に取り入れてもらって、使ってもらいたいです。私もそれを使っていきたいと思っています。

-
聞き手
 良いものを手に入れる、良いものを使って生活をしていくっていうことは、どういう良さをもたらしてくれるんでしょうか。

 良いものを使うというのは、やはり自分の気持ちが満足します。楽しいだけではなく、無駄なことをしなくなるんですね。余分にものを使うことも無くなりますし、環境という言葉をおもてに出さなくても、周りに対して優しい生活ができる。ひとつのものを長く使う、それが良いことではないかとと思います。

薪ストーブ、F3、ヨツール
-
-
F 3
ヨツール
-
聞き手
 これまで、ぼくたちの中にあったのは、新しいものを手に入れていって、そういう消費型の社会だったと思うんですが、そういった良いものを使って、楽しみながら環境に優しい生活に変えていけるっていうことですね。
-
薪ストーブ、F500、ヨツール  そうです。薪ストーブは、そういう意味で20年、30年使える道具です。一番長い方で27年使ってもらっています。まだまだ使えますし、それと修理ができます。部品が20年過ぎてもちゃんとあります。お客様がとても大事に使ってくれているんですね。
 ものって、そのものだけではなくて、使う方が大切に、大事に使って、そこにさらに価値が出てくると思います。
-
F 500
ヨツール
-
-
聞き手
 そのような薪ストーブとともに、岩手にはさまざまな良いものを作っている人たちがいらっしゃるわけですね。そういったものを大立目さんの目で選んで皆さんにご紹介できるお店、早くできるといいですね。

 はい、なんとかやりたいと思っています。

聞き手
 お店を見渡すと、ヨーロッパ製の薪ストーブが多いですね。これはどういったことから選んだんでしょうか。

-
薪ストーブ、Encore、バーモント キャスティングス Encore
バーモント
キャスティングス
 これはヨーロッパ、アメリカのものが多いんです。
 残念なことに、日本には今時点で、あまり良い薪ストーブがないんですね。後ろにある薪ストーブのメーカーは、155年、薪ストーブだけを作っているんですが、こういうメーカーが日本には無いんです。ホームセンターへ行かれるとわかると思うんですが、お値段が手頃なものは中国から来ているんですね。中国で、ヨーロッパ、アメリカの良いものをコピーして作っているんですけれど、日本の場合、そのどちらでもないんです。なかなか良いものはないですし、安くもできないです。やはり、良いものを作るには時間がかかるんです。5年とか、10年とか、時間をかけて、少しずつ良いものを作る。時間がどうしても必要です。今、なかなかそれが難しい時代になってきています。
 しかし、岩手には南部鉄器という300年以上歴史ある良い産業があります。できれば、私がこの仕事に関わっている間に、メードイン岩手、メードイン盛岡の薪ストーブができたらと思っています。それが、大きな夢です。
-
聞き手
 メードイン岩手を作る課題としてはどういうところなんでしょうか。
-
 皆さんに価値を感じていただいて、良いものを、ほしくなるのもを作ることだと思います。安いものは中国から来ますし、すでに良いものはヨーロッパ、アメリカにありますので、岩手らしい、南部鉄器の良さを充分に出した、そして実用的であって、デザインも良くて、長く使いたい、大事に使いたいものを作ることが大事だと思います。
薪ストーブ、Vigilant、バーモント キャスティングス
-
-
Vigilant
バーモント
キャスティングス
聞き手
 これまで20年以上この仕事に携わってきて、そこから時代の変化や人の意識の変化を感じてこられたと思うんですが、大立目さんは、この後、岩手の人たちにどういう風に変わっていってほしいでしょうか。
-
 私は岩手で生まれて、岩手で育って、岩手から一歩も出ていない、純粋な岩手県人ですが、私たちが知らない岩手の良さっていっぱいあるんですね。これをお客様から教えていただいています。Iターン、Uターン、それから岩手を気にいって移り住んでくれている方たちからお話を聞くと、岩手はとっても良いところなんだそうです。私たちが気づいてないんですね。それを私たちがもう一回再認識して、岩手の良さを残すには何をしたらいいか考えていくことが必要です。私たちが岩手の良さを見直す必要があると思います。
薪ストーブ、Resolute Acclaim、バーモント キャスティングス
-
-
Resolute Acclaim
バーモント キャスティングス
聞き手
 薪ストーブのお話から、さまざまなお話を伺わせてもらいました。
 岩手には、まだまだ私たちが知らない魅力がいっぱいあるんですね。メードイン岩手、そんな素敵な薪ストーブが、これからどんどん広がっていってほしいな、そんな風に思いました。ありがとうございました。

ありがとうございました。

-
-
コラムの目次へ
戻る
-
-

ホーム
(C) IWATE DANRO, LIMITED. All rights reserved.